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腰部脊柱管狭窄症 |
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脊椎には神経の通り道である脊柱管と呼ばれる孔があります。長い年月、体を支え続けていると脊椎が変形して脊柱管が狭くなってきます。腰椎部で脊柱管が狭くなった状態を腰部脊柱管狭窄と呼びます。腰部脊柱管狭窄症は、50歳代以降から徐々に増えてきます。脊柱管が狭くなると、そのなかを走っている神経が圧迫されて、坐骨神経痛と呼ばれる下肢の神経痛やしびれ、麻痺(脱力)が発生します。時には、両下肢のしびれの他に、股間のほてり、排尿後にまだ尿が完全に出し切れない感じ(残尿感)、便秘などの膀胱・直腸症状が発生します。これらの症状は、主に歩行時により惹起されます。そのため腰部脊柱管狭窄症では、長距離を続けて歩くことができなくなり、歩行と休息を繰りかえす間欠跛行という状態になります。歩くと下肢の痛みやしびれが強くなってくる、あるいは下肢の症状に排尿の異常を伴うような症状があれば腰部脊柱管狭窄が疑われます。神経症状が改善しない場合には神経の除圧術が必要になります.
手術の説明(椎弓切除術,腰椎固定術 )
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写真1
脊髄の造影検査で,矢印に示した部位に狭窄を認めました. |
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写真2・3
MRIでも同様の所見を認めました.この患者さんには拡大開窓術を行いました.手術から2日目には歩行器で歩けるようになり,術後2週間目に独歩で退院されました. |
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写真4
脊椎の不安定性がある患者さんには,金属(チタン)で脊椎を固定する手術を併用することがあります. |
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写真5
当科で椎体の固定に使用しているカーボンケージ |
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- 参考
- 日本整形外科学会(パンフレット)
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