Rett症候群とは、退行(生後6ヶ月から18ヶ月程度の正常な成長・発達の後に知能・運動機能の退行きたし、結果的に精神遅滞、痙性両下肢麻痺(股関節脱臼や関節拘縮や可動域低下をきたす)、体幹失調、手の特徴的な手もみ様不随意運動などを特徴とする性染色体優勢遺伝疾患でゆっくり進行していきます。女児のみに発症するとされています。発生頻度は1人/1万人といわれています。
その他の特徴としては、有目的運動(把握・操作)の消失、てんかん(70〜80%)、呼吸異常(無呼吸・空気嚥下・歯軋り)、自立神経機能障害をきたします。60〜80%に側弯症を合併するといわれています(long C thoracolumbar curveやkyphosisをきたし、40〜45度で手術適応になることが多い)。現在行われている主な治療法は装具をつけて悪化を予防する治療法と、手術療法に大別されます。本症そのもので致命的にはなりませんが、脊柱変形が進行すると、呼吸器合併症が生じるため、早期発見・早期治療が必要です。手術に際しては唾液が多いため、術後誤嚥し、呼吸器障害をきたしやすいため、術後2日〜1週間程度は挿管したままで呼吸管理が必要なことがあります。
下の図は治療前後の画像です。
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