- マルファン症候群 |
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側弯症は、特に成長期に生じる進行性の脊柱変形です。変形の程度、進行度、パターン等には個人差があり、残念ながらその原因はいまだ不明です。側弯症の頻度は人口の1〜2%と言われていますが軽度で止まる人が多く、ひどく悪化する人は決して多くはありません。しかし悪化すると外見の問題だけではなく背中の痛み、内臓への影響(特に心肺機能)も無視できなくなります。また、成長期が終了し成人になっても側弯の大きさが40°を超えるものは年間平均0.3〜0.5°悪化すると報告されています。
側弯症が高率に生じることで知られている疾患としてマルファン症候群があります。この疾患は心疾患、骨格異常、目の異常を主症状として家族性に発生する疾患です。このマルファン症候群に生じた側弯は特発性側弯症(思春期側弯症)とは比較にならないほど急速に悪化し、体幹変形や呼吸機能低下、腰背部痛などが出現します。骨の脆弱性も脊柱の安定性に影響を与えます。
現在行われている主な治療法は装具をつけて悪化を予防する治療法と、手術療法に大別されます。角度が60°以上となり、進行性の側弯に対して手術を考慮する必要があります。しかし、マルファン症候群の患者さんは心疾患の発生に伴い、側弯で2次的に生じた胸郭変形や呼吸機能は生命維持に重大な影響を及ぼすこともあります。手術の利点は矯正がある程度でき、その後の進行も手術した部位においてはほぼ止まることです。手術の欠点は脊柱が手術した部位で固定されること、傷跡ができること、異物(金属)が入ること等です。原疾患であるマルファン症候群は全く手術では解決されません。
- 関連サイト
- マルファンネットワークジャパン
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