関節リウマチは,関節や脊椎(せぼね)に慢性の炎症を生じる疾患です.脊椎の関節破壊で問題になるのが,頚椎(けいつい,くびの骨)病変です.頚椎は7つの骨で構成されますが,関節リウマチの患者さんでは,1番目と2番目の骨の間に生じる不安定性が一般的です(環軸椎亜脱臼).背骨の中には,脊髄という太い神経がとおっており,環軸椎亜脱臼により,神経が圧迫されると,手足のしびれや筋力低下を生じることがあります.また,環軸椎亜脱臼により,くびの痛みや後頭部の痛み(後頭神経痛)を生じることもあります.環軸椎亜脱臼の中で,脊髄の麻痺(手足のしびれや運動麻痺)を生じるようになると手術が必要となることもあります.手術をする場合は,不安性のある背骨を金属で固定する方法が一般的です(下図).現在,岡山大学整形外科では,手術支援システムを使用することで,以前より安全に手術を行なえる環境が整っています。
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