Okayama University Hospital, Department of Orthopaedic Surgery, Spine Group
岡山大学病院 整形外科 脊椎・脊髄グループ
疾患の説明 - 骨粗鬆症性脊椎骨折

 骨粗鬆症は、骨の新陳代謝のバランスがくずれて、骨吸収が骨形成を上回り骨量が減少した状態で、かつ骨そのものの質も変化し、骨がすかすかになります。骨粗鬆症の患者さんでは軽微な外傷や場合によっては明らかな外傷がなくても脊椎や大腿骨などの骨折が起こりやすくなります。脊椎に生じる骨折は四角い形をした脊椎が潰れる圧迫骨折といわれるもので、骨折が生じた直後は背中や腰の激痛が主な症状です。一度潰れた脊椎は元の形には戻らないので潰れた状態で骨がついていきます。従って、痛みがとれた後も背骨が曲がったり、身長が短くなったりといった症状が残ります。一度、骨折を起こすと次々に起こりやすくなることから、初期治療が重要と考えられています。
 治療の原則は薬物療法(ビスフォスフォネート)を主体とした保存療法ですが、脊椎骨折を生じた場合は痛みを抑え、高度の後弯(背骨が曲がる)とならないようコルセットなどを使用します。適切な処置を病院で行わないと骨がつかなくなり痛みが持続する場合があります。ひどい時には脊椎の中を通る神経が障害され麻痺を生じる場合もあり、手術が必要になることがあります。適切な治療を受け食生活や運動など生活上の注意点に留意することで、骨量減少をおさえ骨折の危険性を減少させることができますので、早めに脊椎脊髄病専門医を受診することをお勧めします。

(脊椎脊髄病学会から抜粋、改変)

下図は当院でセメント治療された患者の画像です。


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